はじめに:うつ病の回復は直線的じゃない
うつ病は、回復していく過程でも**「急に気分が落ちる」ことがある。これは、よく言われる「揺り戻し」**の現象だ。
例えば、岡田斗司夫さんも「日記をつけると3カ月に1回はそういう時期が来る」と言っていたことがあるそうだ。つまり、これは珍しいことではなく、うつ病の回復の一部として起こるものなのかもしれない。
うつ病の「揺り戻し」が起こる理由
① 体調が安定して油断する
- 「調子が良くなってきた!」と思って活動量を増やしすぎると、疲労が蓄積して気分が悪化することがある
- 心のエネルギーはまだ回復途中でも、「やれるかも」と思って無理してしまいがち
② ホルモンバランスや神経伝達物質の変化
- うつ病の回復過程では、脳内のセロトニンやドーパミンのバランスが不安定になることがある
- 一時的に気分が落ち込むことがあり、それが「揺り戻し」として現れる
③ 外部ストレスの影響
- 周囲の変化や仕事、家庭のプレッシャーなどで**「うつの再発」とは違う形の気分低下**が起こることがある
④ 「前よりは良くなっているのに、まだしんどい」ことへの葛藤
- 「回復してきているはずなのに、なんでまた落ち込むの?」という疑問がストレスになり、さらに落ち込む原因になることも
揺り戻しをどう乗り越える?
① 「また来たか」と軽く受け止める
- 「そういう時期が来ただけ」と思うことで、深刻になりすぎずに済む
- うつ病の回復には波があるので、無理に「治そう」と思わなくても大丈夫
② 無理せず休む
- 体調が悪いときは、無理に動かず休養を優先する
- 「頑張らなきゃ」と思うほど、揺り戻しのストレスが強くなることも
③ 日記をつけるのが苦手なら、記録の形を変えてみる
- 文字にすると「汚く感じて捨てたくなる」なら、日記以外の方法を試す
- 「スマホに書く元気もない」ときは、カレンダーに気分だけ記録するのもアリ
- 「色で記録する」「スタンプだけつける」など、気楽な方法で気分の波を把握できる
④ 減薬を焦らない
- 「そろそろ薬減らしてもいいかな」と思っても、勝手に減らすと揺り戻しが悪化することもあるので注意
⑤ 揺り戻しは「再発」じゃなく「回復の一部」と捉える
- 「もうダメだ、また悪くなった」と思うと精神的にしんどくなる
- 「回復する途中にこういう波があるんだ」と考えた方が楽
まとめ
うつ病の回復は、「完全に治るまで何も起こらない」わけではなく、波がある。その中で、「調子が良くなったと思ったら急に落ちる」という**「揺り戻し」**が起こることがある。
これは再発ではなく、回復の途中で自然に出てくる現象。だからこそ、「また来たか、まあいっか」と軽く受け止めることが大切かもしれない。
日記をつけるのが苦手なら、文字にしなくても「スタンプを押す」「カレンダーにマークをつける」などの方法で気分の波を記録するのもアリ。
無理せず、焦らず、自分のペースで向き合っていくことが揺り戻しとうまく付き合うコツかもしれない。
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