うつ病でよく聞かれる「何に困っているの?」に答えられない理由とは?

うつ病の方がよく直面する質問のひとつに、「何が困っているの?」というものがあります。しかし、多くの場合、「自分でも何に困っているのかがわからない」「言葉にできない」という状況が生まれます。これはうつ病特有の心理状態が深く関係しています。

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うつ病は複数の不安や問題が入り混じる状態

うつ病になると、頭の中で様々な不安や悩みが入り乱れ、一つの問題に集中できないことがよくあります。思考は常にあちこちに飛び、解決できない問題が次々と浮かんでは消え、頭の中で絡み合ってしまうのです。

これらの問題は、単に「考えすぎ」ではなく、実際には頭の中だけで完結しない複雑なものです。だからこそ、どれも解決が遅くなり、問題が積み重なっていきます。答えのない課題も多く、何をどう質問すればよいかもわからなくなりがちです。

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医師や家族にも伝えにくい「言葉にできない苦しみ」

うつ病の治療では医師に正確な症状や困りごとを伝えることが重要ですが、患者本人が「何がわからないのかすらわからない」状態では、的確な説明が難しくなります。また、家族にも本当の苦しみを伝えにくく、孤独感や無力感が増してしまうことがあります。

自分の体調の悪さも的確に説明できないため、医師にうまく伝えられないことも多々あります。いつも自分がやっていることだからと本人にとっては普通のことでも、他人から見ると「え!」と思うことをやっているのに気づけないでいるときもあります。そうなると医師に伝えるべき点が遅れてしまうのこともあります。

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解決の歩みは遅く、焦りが生まれる

うつ病の回復はカメの歩み。、問題の解決に時間がかかることが普通です。しかし、本人は「なかなか良くならない」と焦りや苛立ちを感じやすく、これがさらに心を重くしてしまう悪循環に陥ることも少なくありません。

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