※本記事は個人の見解であり、医学的な診断に代わるものではありません。専門的な治療が必要な場合は医療機関を受診してください
うつ病の人に向けて、
「あなたは恵まれている」
「周りに人がいるから幸せだよ」
そんな言葉をかけたことはありませんか。
言った側は、励ましたつもりかもしれません。
しかし、その言葉が当事者にとっては深い苦しみになることがあります。
本記事では、
「幸せだと思いなさい」という言葉が、
なぜうつ病の人に響かないのか、
そしてなぜそれが非常に危険な構造を持つのかを解説します。
「あなたは幸せだよ」という言葉の問題点
うつ病の人が苦しんでいるのは、
「環境」ではなく感じる力そのものです。
- 喜びを感じられない
- 楽しさが湧かない
- 人に囲まれていても心が空白
この状態に対して
「でも幸せでしょ?」
と言われると、どうなるでしょうか。
それは励ましではなく、
現実の否定になります。
「幸せだと思い込みなさい」という暗示
「あなたは幸せだよ」という言葉は、
実質的にこう言っているのと同じです。
今のあなたの感じ方は間違っている
正しい感じ方をしなさい
これは、当事者に
- 自分の感覚を疑わせ
- 苦しさを口に出しにくくさせ
- 「感じられない自分が悪い」と思わせる
非常に強い心理的圧力になります。
なぜそれが「恐ろしい」のか
この構造は、
一見すると優しさに見えます。
しかし本質は、
思想の押し付けです。
- 本人の実感より、外側の物語を優先する
- 苦しさを「考え方の問題」にすり替える
- 沈黙を選ばせる
これは、宗教やカルトが使う(心理的な支配構造の例え)
「正しい感情」「正しい状態」を教え込む構造と
非常によく似ています。
だから当事者は、
「救われない」だけでなく、
さらに孤立します。
「感じられない状態」は幸せではない
大切なことを、はっきり書きます。
感じられない状態は、幸せではありません。
- 波が低い時期
- 静かに生きている時期
という言葉で包むことは、
当事者の苦しさを軽く扱うことがあります。
感じられないこと自体が、
すでに「つらい状態」なのです。
本当に必要なのは「修正」ではなく「承認」
うつ病の人に必要なのは、
- 幸せだと教え込まれること
- 前向きになること
ではありません。
必要なのは、
「今はつらい」「感じられない」という事実を否定されないことです。
そこからしか、回復は始まりません。
まとめ
- 「あなたは幸せだよ」という言葉は、善意でも人を傷つける
- それは感情を矯正しようとする暗示になる
- 当事者の実感を否定する構造は非常に危険
- 感じられない状態は、美化されるべきではない
もしこの記事を読んで
「自分の気持ちを代弁してもらえた」と感じたなら、
あなたの感覚は間違っていません。

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