「うつ病の人には、ゆっくりで大丈夫だよ、何もできなくてもいいんだよ」
「ありがとう、助かるよ」
「つらかったね、ここにいるよ」
こうした言葉は、一般的に「うつ病の人にとって嬉しい言葉」として紹介されます。
しかし実際には、うつ病の人は言葉そのものを素直に受け取れない状態にあります。
うつ病では「言葉が届かない」状態になる
脳の働きが低下している
うつ病は心の問題ではなく、脳の神経伝達物質のバランスが崩れる「脳の病気」です。
そのため「ポジティブな言葉」を聞いても処理ができず、心に響かないことが多いのです。
感謝や励ましも「無」の状態で受け取る
「ありがとう」と言われても「自分なんて役に立ってない」と感じてしまったり、
「大丈夫だよ」と言われても「大丈夫じゃない」と返したくなる。
つまり、嬉しい言葉でさえ“無”の状態で処理されてしまうことがよくあります。
傷つく言葉は直接刺さる
一方で、「怠けてるんじゃないの?」「もっと頑張れ」などの否定的な言葉は、強く心に残ります。
これは脳が「自己否定」に過敏になっているためで、より深いダメージを与えてしまいます。
本当に大切なのは「言葉」より「態度」
言葉は響かなくても「安心感」は残る
うつ病の人にとって、かけられた言葉の意味は理解できなくても、
その人が傍にいてくれたこと、寄り添ってくれた態度は確実に記憶に残ります。
例:こんな接し方が安心につながる
- 言葉をかけすぎず、隣に座るだけ
- 無理に励まさず、黙って見守る
まとめ
うつ病の人が言われて嬉しい言葉は、必ずしも心に届くとは限りません。
脳がバグっているような状態のため、ポジティブな言葉は「無」に処理され、否定的な言葉だけ強く残ってしまうことがあります。
だからこそ大切なのは「どんな言葉を選ぶか」よりも、相手の存在を認め、そっと寄り添う態度です。
言葉が届かなくても、「安心できた」という感覚は必ず残るのです。
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