真面目な人ほど、うつ病になりやすい理由
休んだあとに「一発逆転」を目指してしまう心理の落とし穴
真面目な人ほど、うつ病になりやすい。
これは推測ではなく、精神科の現場や当事者の語りの中で、繰り返し語られてきた事実です。
そして、真面目な人がうつ病で休職・離職したあと、もう一つ陥りやすい心理があります。
それが、
「何とかして元の位置に戻らなければならない」
「取り戻さなければならない」
「みんなが出来てるのに、自分だけ同じことができていない」
という焦りです。
この記事では、
真面目なうつ病の人がなぜ無理をしてしまうのか、
そして、なぜ「追いつこうとしないほうがいいのか」を、現実的な視点で書いていきます。
真面目な人は「休む=置いてきぼり」と感じてしまう
真面目な人にとって、休むことは簡単な選択ではありません。
- 周囲に迷惑をかけている気がする
- 自分だけ止まっているように感じる
- みんなに置いていかれる不安が強い
うつ病で休んでいる間、体と心は本来「守られている状態」にあるはずです。
それでも意識は、
「何もできていない自分」
「価値を失った自分」
に強く向いてしまいます。
この認知の歪みが、焦りを生みます。
何もできない状態から「一発逆転」を狙ってしまう心理
うつ病になると、以前のようには動けなくなります。
- 集中力が続かない
- 体力が極端に落ちる
- 判断力が鈍る
朝、体が鉛のように重くて起き上がれない。
SNSで同世代が働いている姿を見て、画面を閉じたくなる。
それでも真面目な人ほど、
淡々と日常をこなしている元気な人たちとの差を、正面から見てしまうのです。
そこで生まれるのが、
- コツコツ追いつくのは無理
- 何か一気に取り戻すしかない
という思考。
これが、一攫千金・一発逆転思考です。
元気な人は淡々と進み、病気の人は追いつけない
ここは、きれいごとを書いてはいけない部分です。
体力も精神力も安定していて、病気を抱えていない人は、
特別な努力をしなくても、日々を淡々と積み重ねていきます。
一方で、うつ病や持病を抱える人は、
- 症状という錘(おもり)
- 不安という錘
- 自己否定という錘
を、常に背負っています。
この状態で、同じ速度で歩こうとすること自体が、無理なのです。
追いつけないのは、当たり前のこと。
条件が違う。背負っている重さが違う。
それだけの話です。
「追いつけた人」は例外であり、基準にしてはいけない
テレビやネットでは、
- 病気から復帰して大成功
- 休養後に一気に追い抜いた
という話が、希望の物語として語られます。
しかし、それは例外です。
才能、環境、支援、運がそろった人の話です。
一般の人がそれを基準にすると、
- 自分はなぜできないのか
- もっと頑張らなければ
と、自分を追い詰める結果になります。
例外は、基準にしてはいけません。
真面目なうつ病の人に必要なのは「錘(おもり)の量を知ること」
推測ですが、真面目なうつ病の人に本当に必要なのは、
自分が背負っている錘の量を正確に知ることです。
- どれくらい体力が落ちているか
- 無理をしたとき、どんな崩れ方をするか
- どこまでが安全圏か
それを理解したうえで、
他人の歩みに追いつこうとしない
という選択をすることが、長期的には自分を守ります。
回復ではなく「生存」を目標にするという考え方
うつ病は、「元に戻る」病気ではありません。
回復を目指すほど、苦しくなる人もいます。
だから目標は、
- 完璧に治ること
- 以前の自分に戻ること
ではなく、
壊れずに生き続けること。
それは敗北ではありません。
生存戦略です。
まとめ:追いつこうとしないことが、生き延びる力になる
うつ病の人が目指すべきなのは、
他人の人生に追いつくことではありません。
- 自分が壊れない速度で生きる
- 自分の錘を理解したうえで歩く
- 比較から降りる
「自分のペースでは生きていけない」
「お金も仕事も成り立たない」
そう言われることもあるでしょう。
でも、そのときはそのときです。
それ以上、できないものは、できない。
今日、生きていること。
それ自体が、もう十分な結果です。

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