うつ病と「太陽の光」――善意が、時につらくなるとき
うつ病になると、よく言われる言葉がある。
「外に出て、太陽の光を浴びましょう」
これは、決して悪意から出た言葉ではない。
むしろ、心配してくれているからこそ出てくる助言だと思う。
けれど、うつ病を実際に経験した人間として、
私はひとつ伝えておきたいことがある。
太陽の光が、いつも回復につながるとは限らない。
太陽の光が「強すぎる」と感じることもある
うつ病になったことがない人からすると、
「外に出れば気分転換になる」
「日光を浴びれば元気が出る」
そう思うのは自然なことだと思う。
でも、私の場合は違った。
太陽の光は、
明るすぎて、強すぎて、
外に出るだけで、ぐったりと疲れてしまう。
元気になるどころか、
神経が擦り切れるような感覚になることすらあった。
これは怠けでも、甘えでもない。
刺激に耐えられないほど、心が弱っている状態だったのだと思う。
私が25年以上続けている「光との付き合い方」
私は夜になると、
部屋の蛍光灯は使わない。
天井の照明は外して、
卓上型の、黄色いランプだけで過ごす。
炎の光に近い、やわらかい色の明かりだ。
それだけで、
頭の中のざわつきが、少し静かになる。
そして眠るときは、
完全に真っ暗にする。
豆電球すら、つけない。
この生活を、気がつけば25年ほど続けている。
誰に教わったわけでもない。
ただ、自分が壊れない方法を、
時間をかけて見つけてきただけだ。
「外に出させようとする優しさ」が、負担になることもある
周囲の人は、善意で言う。
「外に出たほうがいい」
「太陽の光を浴びなさい」
でも、うつ病の状態によっては、
それが回復ではなく消耗になることもある。
本人が
「今日は無理だ」
「光がつらい」
そう感じているなら、
それはちゃんとしたサインだ。
無理に引っ張り出すことが、
必ずしも正解ではない。
光の量は、人それぞれでいい
太陽の光が合う人もいる。
カーテン越しの明るさがちょうどいい人もいる。
私のように、暖色のランプで十分な人もいる。
**回復に必要なのは、「正解の光」ではなく
「自分が安心できる光」**なのだと思う。
うつ病は、気合いや理想論でどうにかなるものではない。
繊細な調整の積み重ねだ。
おわりに
もし、あなたの身近に
「太陽の光がつらい」と言う人がいたら、
それを否定しないでほしい。
そしてもし、あなた自身がそうなら、
無理に外に出なくてもいい。
無理に明るくしなくてもいい。
暗さの中で、
やっと呼吸ができる人もいる。
それは間違いでも、後ろ向きでもない。
生き延びるための、立派な選択なのだから。

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