「楽しく生きて」と言われても…うつ病患者にとって“楽しさ”が見えない理由

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■ 「ストレスは良くないから楽しく過ごして」──それ、本当に可能ですか?

リウマチやうつ病など、慢性疾患や精神疾患を抱える人に対して、よくこう言われます。

「ストレスが一番よくないから、できるだけ楽しく過ごしてくださいね」

言っている側は優しさからの言葉かもしれません。
でも、うつ病の当事者にとっては「楽しくって何?」「どうやって?」という根本的な壁にぶつかります。


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■ “楽しい”がわからない──うつ病特有の症状「興味喪失」

うつ病の代表的な症状のひとつに「興味や喜びの喪失(アネドニア)」があります。

  • かつて好きだったことに興味が持てない

  • 何をしても感情が動かない

  • やる気が出ない

  • 外に出るのもしんどい

  • そもそも何が好きだったのか思い出せない

この状態で「楽しいことを見つけましょう」と言われても、見つけ方すらわからないのが現実です。


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■ 好きも嫌いもわからない──「感情の機能不全」が起きている

うつ病が慢性化すると、単に気分が落ち込むだけでなく、「好き」「嫌い」といった感情判断すら曖昧になります。

  • 何を選んでも疲れる

  • 選んだものに対して「これでよかったのか」と後悔する

  • 何かを試しても手ごたえがなく、逆に無力感が増す

  • 痛手を負って寝込む

  • そしてまた何もしたくなくなる

このように、楽しい以前に「判断する力」や「選ぶ体力」がそもそも削られているため、楽しさを探すこと自体がストレスになってしまうのです。


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■ 「ポジティブの押し売り」がつらいときもある

世間でよくある「前向きになろう!」「楽しいことしよう!」という励ましは、うつ病の人にとってはかえってプレッシャーや罪悪感につながることがあります。

  • 「楽しく生きられない私はダメなんだ」

  • 「できない自分が悪いのかな」

  • 「また迷惑をかけてしまう」

こうした“二次的な自己否定”が起こり、症状が悪化するケースもあるのです。


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■ じゃあ、うつ病の人はどうすればいいの?

「楽しい」を目指すのではなく、**「ダメでもいい」「感情が動かなくても許す」**という地点から始めることが、うつ病の回復には重要です。

▽ できる範囲で「好きかも?」を探すしかない

  • 映像を流すだけでOK(反応しなくてもOK)

  • 動物動画や自然音を聞くだけ

  • 書く、描く、なにか手を動かす

  • 何もしない時間を「してもいい」と許す

ポイントは、「楽しめなきゃ意味がない」と思わずに、「やってみて何も感じなくてもOK」とすることです。


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■ まとめ:「楽しいことしてね」は善意。でも、現実はそう簡単じゃない。

うつ病の回復において、
「楽しいことを探す」こと自体が大きなハードルになる。
それは決して努力不足ではなく、病気そのものが感情の機能を奪っているから

大事なのは、無理やりポジティブを探すことではなく、
“感じられない今の自分”を否定しないこと

「何も楽しくない日があっても、生きていていい」
そう思える場所や言葉が、うつ病の人には必要なのかもしれません。

でもそれ言うと、「呼吸するだけでお金(家賃、税金、病院代、食費)かかるからさ、生きる希望なくなるな」っていつも思ってる。

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