助けるにも金がかかる──資本主義に潰される命の話

資本主義が悪いっていうより、資本主義と福祉って合わないよねっていう話です。

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1.医療費が命のコストを押し上げる

日本は公的医療制度が充実しているが、実際には多くの人が医療費負担に苦しんでいる。病気になるとお金がかかってしまう。

海外、特にアメリカでは、医療費の高騰がもっと深刻だ。医療費が原因で破産する人が年間50万人以上いるとされ、まともな治療を受けられず、精神疾患を抱える人の自殺率が高いのは周知の事実だ。


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2.依存症・精神疾患と資本主義の矛盾

うつ病やアルコール依存症、薬物依存症などは、本人の努力だけで簡単に克服できるものではない。長年の依存は「習慣」や「脳の構造変化」に深く根ざし、社会的孤立や経済的困窮と複雑に絡み合っている。

しかし、資本主義社会では「生産性」が重視され、社会的弱者は「お荷物」として排除されがちだ。依存症患者が支援を受けても、長期的には社会のコストとなるため、援助の手が回りにくい。


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3.助け合いの精神は存在するか?

被災地や地域コミュニティでのボランティア活動を通じて、助け合いの美談が伝えられるが、実際は異なる側面も多い。助ける側と助けられる側の間で摩擦が起きたり、近隣住民が無関心を装ったり、被災者自身が支援に対して不信感や反発を示すことも少なくない。

また、支援者が「自己犠牲的に頑張りすぎて疲弊する」ケースも多く、持続可能な支援体制の構築は難しい。


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4.社会的孤立と経済的困窮の連鎖

孤独死の問題は日本でも深刻である。孤独死の多くは経済的困窮や精神疾患と結びついている。多くの当事者は十分な収入や貯蓄がなく、福祉サービスの利用も限定的だ。

さらに、社会や自治体の支援も限られており、過剰な手助けは「甘やかし」と批判される文化も根強い。助ける側も助けられる側も、精神的・経済的負担が大きい。


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5.まとめ:命の価値を再考するために

命を助けるには「お金」が必要だが、そのコストがあまりに高い社会は、資本主義の歪みが露呈していると言わざるをえない。現代社会が抱える医療費高騰、メンタルヘルス問題、社会的孤立はすべて互いに絡み合い、貧困と依存の連鎖を生み出している。

これらを解決するためには、単なる「福祉の拡充」や「ボランティア精神」だけでなく、社会構造自体を見直す必要がある。医療や支援に「利益追求」を持ち込まない仕組みや、孤立を防ぐ地域のネットワーク強化、経済的に困窮する人への包括的支援が不可欠だ。

しかし、だからといって介護職員や医療従事者に対して「人件費が高いので安く働いてください」「患者に暴行されてもなかったことにして下さい」と求めるのはもってのほかである。命を支える現場の労働環境や待遇の改善こそが、社会全体の命の価値を守ることにつながるからだ。

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