慢性うつ病の方は、薬でセロトニンを補充しても、なかなか幸福感を感じられないことがあります。それは脳が長期間うつ状態に適応してしまい、「喜びの回路」が鈍くなっているからです。
そんなときに有効なのが、「幸せの演技」を脳にさせること。最初は嘘でも構いません。小さな演技を繰り返すことで、脳は少しずつ「幸福感を感じる回路」を再学習します。
なぜ「嘘の幸せ演技」が効くのか
- 行動→感情の順序で学習できる
うつ病では「感情が先に出ない」ことが多いですが、行動から感情を刺激すると、脳はポジティブな感覚を学習しやすくなります。 - 表情・身体・言葉のフィードバック効果
軽く笑顔を作る、背筋を伸ばす、良かったことを声に出すだけでも自律神経が変化し、気分がわずかに上向きになります。 - 小さな成功体験の積み重ね
演技でも「できた」という達成感を脳に刻むことで、ドーパミン系が刺激され、幸福感を感じやすくなります。
実践!「脳を騙す幸せ演技ルーチン」
1. 朝の2分フェイクハピネス
- ベッドで起きたら、深呼吸30秒
- 軽く微笑む20秒
- 「今日一つ小さい良いことがある」と声に出す20秒
1日3回の感覚リマインダー
- 音:好きな曲のフレーズを聴く
- 味:暖かいお茶をゆっくり1口
- 触覚:猫や毛布に触れて「気持ちいい」と声に出す
3. 小さな行動タスク
- 例:椅子でふくらはぎ上げ20回、玄関まで歩いて外の空気を吸う
- 完了したら「できた」とノートに1行メモ
4. 夜のポジティブメモ
- 今日あった良いことを1〜3つ書く(短くてもOK)
5. 週1回の振り返り
- 「どれが小さな変化だったか」をチェック
注意点
- 演技だけで根本治療にはならない
- 無理な演技は負担になることがある
- 医師や心理士と並行して実施することが安全
まとめ
慢性うつで幸福感が感じられなくても、脳を騙す「演技」を小さく積み重ねることで幸福感を再学習できる可能性があります。
最初は嘘でも構わない。小さな行動、表情、感覚、達成感を繰り返すことで、脳は徐々に「幸せを感じる回路」を取り戻します。
今日からできる「2分フェイクハピネス」をぜひ試してみてください。
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